『Zero to One(ゼロトゥワン)』の概要
さまざまな新事業を起こし、世界中の市場を席巻する「ペイパル・マフィア」と頭目として名高い、ペイパル創業者ピーターティールによる著作。
わかりやすい実務的な話ではなく、本当に価値のある企業を生み出すための考え方を学べる書籍。
「どうやるのか」ではなく「何をすべきか」を求める人です。
競争を避け、独占せよ
競争が進み、完全市場の状態になると、利益は消失する。
よって、安定した利益を求めるためには、競合の存在しない独占市場を作るよりほかない。
独占市場を形成している典型のGoogleが検索市場を牛耳りつつ、多方面に事業を展開して「競合ひしめく厳しい環境だ」と言うのは、独占していることを隠すためである。
逆に、第二手第三手の企業は、自社の優位性を強調するために実際よりも独占性を強調する傾向がある。
いずれにせよ、独占市場をいかに独占に見せずにやるかが大事。
1をnにするか、0を1にするか
グローバリズムは、横方向の進化。1がnになる進化である。
逆に、ジョブズがiPhoneを生み出したような変化は、0が1になる変化である。
1がnになる進化は競争を生むだけで、本質的には共食いの道を進んでいる状態。
企業が継続的な利益をあげて、かつ本来的な意味で社会を前進させるためには0を1にする進化が必要。
隠された真実
0を1にした独占市場を形成するためには、「賛同する人がほとんどいない真実」を見つけ、実現すること。
賛同する人がほとんどいない、ということは、それゆえに協力者を見つけることは難しい。
結果として、成功するベンチャーは、賛同する人がほとんどいない真実を追う、ある種、秘密結社ような状態になる。
隠された真実を見つけ、ごく一部の味方と共有し、本気で追い求める姿勢がベンチャーを成功へと導く。
インテリジェント・デザイン説とダーウィニズム的進化論
生物の進化は、超越的な何かによってデザインされたものだとするインテリジェント・デザイン説。
逆に、性による不確実性の獲得と、環境との適応で、たまたまの結果として今の生物が生き残っているというダーウィニズム的進化論。
ビジネスにおいて、今の流行りはダーウィニズム的なアプローチ。
「リーン・スタートアップ」に代表されるように、まず小さく作って、調整しつつプロダクトを制作していく手法がこれである。
ただしこれでは競争を防ぐことができないという決定的な弱点がある。
独占を利益の源泉とするビジネスにおいては、強烈なビジョンをもとに未来をデザインすることが重要。
『Zero to One(ゼロトゥワン)』のまとめ
- 独占しなければ利益は出ない
- 隠された真実を現実にしろ
- 限られた仲間と秘密結社になれ
- インテリジェントデザイン説で製品を作れ
いますぐ使える手軽な情報ではないですが、「ビジネスに関する自分なりの考え方の軸を持ちたい」とといった方にはオススメです!
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