『論語物語』の概要
論語研究者として有名な下村湖人が論語を小説形式にした著作。
元来古典というものは、三島由紀夫が『文章読本』でのべたように、「恐ろしいまでの簡潔さ」をたたえているもの。
それゆえに、注釈や誤解の余地があり、また創作の余地もある。
下村湖人が著した『論語物語』は、その創作の余地を最大限活かして、ひとつの作品にしたためたものである。
『論語物語』の画期性
これまで「四書五経」のひとつとして長らく日本で読まれ続けてきた論語。
書き下し文による解説は、現代人にとって必ずしも読みやすくないし、また簡単に楽しめるものでもない。
ことに、「40にして不惑」のくだりなど、あまりにも簡潔ゆえに解釈しづらいものが、この小説ではとみに詳しく、またわかりやすく説明してくれる。
また、簡潔にすぎる古典は、各登場人物の人間性を描くにはあまりにも字数が少なく、活き活きとした様子が伝わりづらいという問題もあった。
その点、この書籍によって描かれた孔子、子路、顔淵といった面々はいかにも活き活きとしており、たいへんに親しみやすい。
難しそうという理由で論語を敬遠している人には、入門書としてもちょうどよい本であり、また単に教養小説をよみたいという方にもおすすめできる本である。
『論語物語』のまとめ
- 小説という形で論語をわかりやすく解説している
- 論語を知らない人でも楽しめる完成度
魂が磨かれる感覚を味わえます。人間関係に迷った時に読む一冊。私のバイブルです。
オススメです!
下村 湖人 講談社 1981-04-08
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