あらすじ
副題はイエス・キリストの物語とありますが、話の主軸は復讐劇。
子供の頃から懇意にしていたユダヤの王、ベン・ハーとローマの執政官メッサーラは、事故により対立関係に陥る。
母や妹は監獄に入れられ、ベン・ハーは奴隷としてガレー船の漕手になる。
戦闘を機会に出世し、戦車レースでライバルのメッサーラと死闘を繰り広げる。
メッサーラから母と妹の場所を聞いたが、すでに不治の病に冒され、ベン・ハーは絶望するが・・・
演出
東方の三博士が、星が落ちる場所、つまりイエスが生まれた小屋に向かうシーンから始まります。ここで新約聖書を踏まえた物語だということがすぐにわかります。
以降、たびたびイエスは画面に登場しますが、いずれも背中のみの出演で、神々しさが演出されています。よく考えたものです。
また、この映画のキモである戦車レースには2年の撮影期間が取られたとのことで、圧倒的な迫力です。
ちなみに、ベン・ハーとメッサーラは同性愛的な仲だった、という裏設定があるという噂もありますが、その根拠は再会のシーン。
十字に組まれた梁の中心に槍を投げ入れたり、腕をクロスして杯を飲み交わすなど、見る人が見ればすぐに同性愛の暗喩だとわかるそうです。
たしかにいま思えば、「映画ゆえの過剰演出」というレベルを超えたウェットな表現だなあと思います。
感想
古代ヨーロッパの話なので、英語で会話されている点に違和感こそあるものの、それを補ってあまりある完成度。
3時間ほどの長い映画ですが、エンターテイメントとしても、教養としても見ておいて損のない作品だと思います。
ちなみに、戦車レースのシーンはジョジョの奇妙な冒険第二部、ジョセフ・ジョースターとワムウが決闘するシーンにモロに影響をあたえていると思われます。
ジョジョ好きの方はぜひ。
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