論語の読み方(山本七平):1995年

『論語の読み方』の概要 聖書研究者としても有名な山本七平氏が論語を解説した著作。 聖書と比較していること 通読順ではなく体系的に解説順を整頓していること 注釈書や現代の派関連本についても触れていること が大きな特徴。 聖書との比較 いわく、「聖書を知るためには論語を知らなければならないし、論語を知るためには聖書を知らなければならない」。 古典中の古典である両書は、注釈、解釈の歴史であり、ともに社会に強く影響を与え続けてきた。 『聖書の常… Continue Reading

聖書の常識(山本七平):1980年

『聖書の常識(山本七平)』の概要 日本を代表する評論家である山本七平氏による著作です。 世界の思想界に強い影響を与え続けている聖書について、聖書を読んだことがない人にとっても概要と背景が理解できる、わかりやすくも濃い解説が詰まっています。 以下に備忘録として、内容をざっくり記載しておきます。   そもそも聖書とは そもそも聖書とはなんでしょうか。 まず構成で分けてみると、大きく、旧約聖書と新約聖書に分けられます。 聖書はキリス… Continue Reading

コンテンツの秘密-ぼくがジブリで考えたこと(川上 量生)2015年

『コンテンツの秘密-ぼくがジブリで考えたこと 』の概要 Dwangoの会長である川上量生氏が、ジブリにプロデューサー見習いとして入った際に感じたことを記録されたもの。 感性で仕事をしている印象があるアニメの世界を、非常に理性的なアプローチで噛み砕いて説明してくれます。 情報媒体業を生業にしている方は読んで損ないです。   『コンテンツの秘密-ぼくがジブリで考えたこと 』を読んで考えたこと 「情報量」とか、「脳内認識の再現」とか… Continue Reading

ダイバーシティ(山口一男)

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本書は二部構成。大変おもしろいです。 第一部は『6つボタンのミナと魔法使いのカズ』という名前のファンタジー小説。合理的選択論にもとづくパラドックスが具体的なシチュエーションの上で読者に示されます。 第二部は、著者である山口一男氏のゼミを濃縮還元したような中身。『ライオンと鼠』という寓話の、日米での差異を主題として、陪審員精度から教育論まで幅広い議論が行われます。 以下、エッセンスの一部を引用したものです。 日本では、いやなことをいやだと… Continue Reading

人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために (山本七平)

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信頼を勝ち得るために何が必要かを説いた書。繰り返し読んでます。”人間は確かに誤るものだが、これを極力避けるために、まず何をなすべきか。これに対して氏は、自分の好きな言葉として「喜怒哀楽の未だ発せざる、之を中と請う」を引用されたが、確かにこれが要点なのである。”

論語物語(下村湖人):1938年

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『論語物語』の概要 論語研究者として有名な下村湖人が論語を小説形式にした著作。 元来古典というものは、三島由紀夫が『文章読本』でのべたように、「恐ろしいまでの簡潔さ」をたたえているもの。 それゆえに、注釈や誤解の余地があり、また創作の余地もある。 下村湖人が著した『論語物語』は、その創作の余地を最大限活かして、ひとつの作品にしたためたものである。   『論語物語』の画期性 これまで「四書五経」のひとつとして長らく日本で読まれ続… Continue Reading

中国古典の言行録 (宮城谷昌光)

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中国の偉人を題材にした小説作家、宮城谷昌光氏によるビジネス書。あっさりしていて読みやすい。あくまで実用書としてまとめられているので、小説家・宮城谷昌光の作品を期待される方は氏の別の作品をご覧いただいたほうが良いです。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (戸部良一)

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「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」というビスマルクの言を体現したような本です。 日本軍が関わった近代戦史をひも解き、負けた原因を分析することで、勝つべくして勝つための考え方を知るのが目的の本です。 なんでもかんでもビジネスに関連付けるのは望むところではありませんが、どうしても「仕事でも一緒だなあ」と思ってしまいます。 以下、引用とコメントです。 本来、戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補うことはできない。とす… Continue Reading